チャンス! 茨城南部解禁でヒラメエリア大拡張!

今や一年中楽しめるが、肉厚で脂が乗る晩秋~冬の寒ビラメは極上!

いよいよ11月1日から、茨城県域の南エリア(北緯36度以南8マイルまで)でヒラメが解禁になった。万人に知られる高級魚ヒラメは全国に生息するが、盛んなのは船釣りで狙う関東の千葉県~茨城県エリア。昔から活きイワシの泳がせ釣りが盛んで、毎年解禁ともなるとドッと釣り人が訪れる。近年では神奈川県相模湾、静岡県でも東伊豆や駿河湾などで人気が出始めているから、釣り船を選ぶにも苦労はないはずだ。
昔はタックルや船の性能もあってオデコ覚悟の難しい釣りでもあり、主に冬に狙っていたため海も悪く、それで生きたイワシ餌を食い込ませるため、どちらかというと上級者向きの釣りであった。とはいえエンガワ、薄造りなど極上の味覚は周知の事実。「1匹獲れれば!」の思いで出漁していった初級クラスのファンも大勢いた。これは、狙う水深が浅め(10~40mほど)でポイントも近く、辛い釣りではないということも一因だろう。
そんな美味な魚だから年を経ても人気は衰えず、そのうち時も流れて遊漁船の性能は良くなるし、タックルも進歩。快適になり釣果の確率も少しずつ上がってきた分、愛好者はさらに増加した。このため、ヒラメは冬と相場が決まっていたのが崩れ、“猫またぎ”などと言われていた春から初夏でも、絞め方次第では美味しく食べられることが分かって、一年中、どこかで遊漁船が出ていることに。好場所のひとつ銚子沖は6月には解禁になるし、相模湾一帯では春先から夏にかけてが盛んだ。

それでもやはり。やはりヒラメは秋から真冬がいいという意見は多い。なぜか。越冬のために秋口からイワシなど餌を飽食してたっぷり栄養を蓄えるためだ。フラットフィッシュなので海底を縦横無尽というわけにはいかない分、食べられるときに食べ、ポッコリしてじっと冬を越すわけ。だから秋以降の魚は身の厚さが違う。1kg級でも食べごたえは十分、しかも脂がバッチリ乗る。実はこの11月頃というのは、ちょうどポッコリしつつ、しかもまだ比較的水温も高く、活性が高めで好釣果が出やすいゾーンなのだ。
だからこれからは、解禁した茨城県エリアはもちろん、千葉県各エリア、相模湾、伊豆半島や駿河湾とも絶好機を迎える。また、釣り方も長い間、3mクラスの長竿がメインだったが、最近では女性や高齢者など非力の人にも対応できるライトタックル(LT)釣法も出て来て、さらに門戸は広がった。ぜひとも極上の、寒ビラメにチャレンジしてほしい。

ベーシックタックル 果報は寝て待てだが放っておくのは厳禁

ヒラメ釣りは昭和期から長い間「ヒラメ40」などと言って、アタリが出てもじっくり食い込ませるため、糸をどんどん送るなど、なかなか難しい釣りでオデコも当たり前だった。これには諸原因がある。まず、海が悪い冬が時期だったこと。そしてタックルも今ほど良くなかったこと。そして船も現在のように性能が良くなかったことがあげられる。このため当時は、初動の前アタリがあっても、その後、どうなっているのかさっぱり分からない…ということが良くあった。
しかし、現在では海以外はどんどん進化し、とても釣りやすくなっている。海は相変わらず悪い時は悪いが、竿の性能や船の動きでリカバリ―できることが多いのだ。竿はコマセマダイ用の3m前後の長い軟調子竿の出現で変わった。軟らかさで船の上下動による仕掛けの踊りを相殺し、また、イワシ餌の食い込みも非常にいい。昔は持ち竿の人が多かったが、この竿の出現で、ロッドホルダーにセットして置き竿にする人が大半になった。
これが現在主流のベーシックタックル。今はマダイ竿の代わりにほぼ同じアクションのヒラメ専用竿が出ているから、そちらの購入がいい。3mを境に若干の長短があり、それなりの理由でその差があるのだが、それは後述の釣り方の方で説明する。
リールは中型両軸タイプが主流だが、最近では小型電動を使う人も。これは好みと言えそうだが、ドラグ性能だけはまともな物を選んでおこう。仕掛けは図のような捨てオモリ式と言われる物だが、これはLTでも変わらない。
ベーシックタックルは放っておくのは厳禁と見出しに書いたが、実はいじり過ぎるのも良くない。厳禁なのは、アタリが出たのに放っておくことだ。それに竿の性質上、持ち重りがするので、ロッドキーパーがあると非常に重宝し、現在ではほぼ必需となっている。

流行のライトタックル 短くて軽く、扱いやすさでは秀逸

前述したベーシックタックルは、成人男性クラスには、そう扱いが大変というわけではない。ただ、この手の竿は非力だと振り回されることが多く女性や高齢者には若干扱いにくい。また、近年は数が釣れるようになった反面、1kg以下の小型も増えたた。そんなことから、扱いやすさ、引きの楽しさを求めて各魚種で普及している“短い、軽い”というLT化が、数年前からヒラメにも及んでいる。
ライトヒラメ専用竿も発売されているが、バランスタックルだからオモリを40~50号と軽くしても道糸をPE1.5~2号にすれば吊り合い、それに合った竿=1.8~2.1m前後のLTアジやライトゲームでも流用が可能。これらのクラスのタックルは、LTアジのブームでも分かる通り、女性や子供、高齢者にも非常に扱いやすいし、比較的廉価で購入可能。マッチするリールも小型両軸でOKだから、リースナブルに入門できる利点がある。
ただし、手持ち竿でやるうえ、繊細なのでアタリがあった場合、あまりに挙動が激しすぎ、合わせどころを間違えて失敗する人も多い。この為、最近では小さいロッドホルダーを用意してセットし、置き竿にしている人も。海が凪なら有意義だと言えよう。
また、よりスリルを求めてベテランでもLTでやることが多くなってきたが、座布団級が掛かるとベーシックタックルより取り込むのが難しい場合があるので念のため。

船はスパンカーによる風立てか、船体を横に流すドテラ流しで狙う

ヒラメを狙う船には2通りの船の流し方がある。他の多くの魚種狙いと同じ、スパンカ―(後部にある帆)を立てて船首を風に立て、縦向きにして船を操っていく方法。もう一つは、潮あるいは風に船を任せる横流しといわれる方法。通称“ドテラ流し”で、船を横向きに流していく。どちらもエンジンなどで微調整をしながら流す。
確実には言えないが、総じて横流しの方が釣り座の不利がないと言われる。船が流れるほうの片舷の全員が真っさらのポイントを狙えるので、トモやミヨシだけが有利ではなくなる。一概には言えないが、スパンカー流しだと真っさらのポイントを狙えるのはミヨシかトモのことが多いのだ。
このため、最近のヒラメ船は横流しが多い。裏側の舷が不利だと思うだろうが、船を180度回して交互に真っさらのポイントを狙わせてあげれば、不公平ではなくなるわけだ。ただ、横流しは海が悪いと出来ない。強風や速潮だと船が流れ過ぎて駄目。最近の船は再度スラスターなどでかなり細かい制御が可能になったが、あまり波やウネリがきついと上手くいかず、船首を風に立てて操船していないと安定しないのだ。そんなことから釣り船は横流しメインに、状況で縦流しという、2つ流し方がある。釣り人はその2通りを覚えておく必要がある。

ベーシックタックルの横流し

先に真っさらの場所を狙える舷の場合(仕掛けが船下に入っていく流し)は、仕掛け投入後、抵抗で竿がグニュっと曲がっても、道糸は極力出さないこと。出すと仕掛けが新しい場所に入らず、ヒット率は下がる。このため、横流しは出来れば長過ぎず、若干硬めの竿がいい。3.3mや3.6mといった竿(大体この手の竿は極軟調子)だと通常の状態でも引き込まれてバットまで曲がり切ってしまい、いざ当たった時にもう曲がらないため食い込みも悪く、アワセも十分利かなくなってしまう。
裏側は仕掛けがどんどん沖に出ていく側。竿の弾力などはあまり関係なくなるが、仕掛けが引っ張られるからと言って、道糸を出していくのは禁物。それでは同じ場所に置いておくだけになってしまう。極力仕掛けを引き摺って場所が変わるようにし、どうしても浮いてしまうようなら、一旦回収して入れなおそう。

LTの横流し

LTはオモリを引きずるような釣り方は竿の性質上、あまり効果的ではない。細い糸が使えているのだから、オモリを少し海底から離し、道糸を立てて(道糸が真下に落ちている感じ)狙おう。これは両舷とも同じ。これによって感度がよく、アタリも竿に良く出て、初心者クラスにも分かりやすい。ただし反面、いざアタリが出た場合、感度が良すぎて竿先がバタバタすることがあり、初心者は思わず初動の食い込んでいないアタリで、いきなり大アワセ(ビックリアワセと言う)してしまい、バラシというパターンも多い。軟らかめのタックルなので、十分過ぎるほど食い込んでからアワせるようにしよう。とはいえ、昔の“ヒラメ40”なんて長待ちはなし。竿が入ったままになったら、起こすように合わせよう。
なお、最近では、小さいロッドキーパーを持参して、LTの置き竿という選択肢もあり。初動の前アタリに過敏に反応しにくくなるし、なにより楽チン。あまり天候が良くないと、船の揺れを短竿で相殺できず仕掛けがバタついてしまって苦戦するが、ナギ加減の日なら有効だ。

スパンカ―使用の縦流し

こちらはベーシック&LTとも狙い方は同じ。船長が極力、道糸が立つように船を流してくれるので、しっかりと底付近のタナをキープするのが鉄則だ。ベストはやはり道糸が真下に落ちる感じで立つこと。ちょうどよい潮や風でうまくポイントを流せているときは、仕掛けがうまく移動している証しで、道糸が真下向きよりわずかに左か右へ、斜めになっていることが多い。
問題は潮が速過ぎたり、風が強過ぎたりする時。船長はしっかりポイントを適速で流そうと努力するが、潮と風、特に風は船の挙動にかなり影響し、強過ぎるとうまくいかない。つまり道糸が斜めになって仕掛けが不必要に引っ張られてしまう。こういう場合はなかなか難しく、道糸を立てようと糸を出していったり、一人だけオモリを重くしたりすると、周りの人とオマツリ地獄に陥る。オモリ号数など船長の指示を守って対処していくが、仕掛けが浮いているくらいに道糸が斜めになってしまったら、一旦回収して入れ直すほうがいい。
こういう荒れ気味のシチュエーションだと、やはり竿のキャパシティを考えるとLTより軟調長竿に分がある。
どちらの釣り方、流し方ともシチュエーションによって利点が分かれるが、予算が許すなら、出来れば両方用意し、臨機応変に臨むのが好釣への道だ。なお、活きイワシの餌付けも初心者には難度Aだが、釣り船それぞれで付け方があるので、チャレンジした際に船長に教えてもらうのが得策。活きイワシは安価ではないので大切に。一説では死ぬ寸前の弱り切った動きが効果的とも言われるので、なるべく長くもたせよう。では、健闘を祈ります!